リアルメディアの
可能性を広げる。

現在は、交通系ハウスエージェンシーの営業担当として、交通広告や屋外広告の制作・出力・施工に携わる営業をしています。設置場所としては、駅、空港をはじめ、商業施設や店舗、イベント会場など、さまざま。おもに企画やデザインの制作は広告代理店が行うので、私たちはその企画を実現するための手段や工程をプロデュースしています。また私自身は、交通系ハウスエージェンシーを長年担当していることもあり、新規メディア枠の開拓支援をしたこともあります。その時は、懇意にしているお客様から、渋谷駅の通路に新しい広告出稿枠をつくろうという話に誘ってもらい、広告の貼付サイズやその場所で雨風に耐えうる印刷仕様の候補などを、安全面・コスト面から検証しました。その時も実感したことですが、リアルメディアの面白いところは、サイズなどの仕様が決まっている枠もあれば、何にもない壁や床でも施工さえできれば、広告に使えてしまうところ。だからこそ、広告代理店からははじめて聞くような要望も多くて、毎日が修羅場です（笑）。でも、そのたびに私たちは、実現手段をあの手この手で見つけていく。営業のこの地道な粘りが、交通広告やリアルメディアの可能性をもっと広げてくれるなら。もっと面白いエンタメが生まれるなら。そう思い、毎日の仕事に向き合っています。

アイデアを、
アイデアで終わらせない。

「まるで競馬場に来たかのような交通広告をつくろう。」きらきらと目を輝かせて語る、広告代理店のクリエイター。「もう勘弁してくださいよ〜」と苦い顔をしながらも、内心わくわくしている自分もいたのをよく覚えています（笑）。それは、毎年恒例で数千万円にのぼる大型プロモーションを実施する競馬場の案件。床には芝生デザインのシートを貼り、改札外には等身大の馬の造形物を設置するなど、空間そのものを広告にしてしまおうという斬新なアイデアでした。ただ、実現に至るまでには、沢山のハードルがありました。例えば、壁や天井のわずかな傾きが貼り作業を妨げたり、施工後に床のフィルム加工が浮いてしまうトラブルが発生したり。一番難しかったのは、終車から始発電車がでるまでのたった3時間半の間に、施工と設置を完了させなければいけなかったこと。広告代理店や施工会社の職人さんたちとチーム一丸となって、知恵をしぼりました。結果、施工は無事完了。後日SNSをチェックすると、その空間広告が拡散されていました。反響が目に見えるというのは、何とも言えない達成感がありますね。「こうなったら面白いよね」という理想を追求しつつも、安全性、コスト、納期、様々な条件を確実にクリアにしていく。それが営業である私の役目。これからも、世の中をあっと驚かせるような交通広告のお手伝いができると良いなと思います。