「製品を売る」から
「課題を解決する」へ
CDOが語る、
FFISと
ソリューションエンジニアの
未来

取締役執行役員 イメージテック事業本部長 兼 CDO
デジタル戦略責任者

豊福 貴司

TAKASHI TOYOFUKU

インタビューに答える豊福貴司氏
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PROFILE

豊福貴司氏

豊福 貴司 | TAKASHI TOYOFUKU

1989年4月、富士写真フイルム株式会社(現・富士フイルム株式会社)に入社。印刷機器・システム製品の組込ソフトウェア開発者としてキャリアをスタートし、独ip.labs GmbHのManaging Director、富士フイルム株式会社ソフトウエア開発センターのプロダクトマネージメント長などを歴任。富士フイルムソフトウエア株式会社、富士フイルムシステムズ株式会社の代表取締役社長、富士フイルムホールディングス株式会社ICT戦略部次長を経て、2025年より現職。

長く使われてきた「営業技術」という職種名を、「ソリューションエンジニア」へと変更したことは、単に「製品を売る」だけでなく「お客さまの本質的な課題に伴走し、解決する」会社であることを、改めて社内外に示す狙いがあります。約30年をエンジニアとして歩み、グループ6社を経てFFISのCDOに着任した豊福貴司に、FFISが今何を変えようとしているのか、そしてソリューションエンジニアという仕事の本質はどこにあるのかを聞きました。

大切にしてきたのは、
品質で信頼を得ること

まずは、これまでのご経歴を教えてください。

1989年に、当時の富士写真フイルムに入社しました。大学ではロボットの研究をしていて、「メーカーで製品開発がしたい」と、印刷系の機器のソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートしました。それから約30年、製品開発に携わり、その途中では、組込ソフトの技術者から、プロジェクトをまとめる役割、さらに技術や組織のマネジメントへと、少しずつ担う範囲が広がっていきました。その後は基幹システムや社内ネットワークといった社内ITの仕事を4年ほど担い、2025年11月に、FFISへ着任しました。富士フイルムグループをずっと回ってきて、実はこれで6社目。営業の会社に来たのは、私自身初めてなんです。今は、国内のBtoBビジネスの統括と、CDOとして全社のデジタル戦略を担っています。

エンジニアとして長く歩まれる中で、一貫して大切にしてきたことは何でしょう。

富士フイルムは、ひとことで言えば「品質を売ってきた会社」だと思っています。品質でお客さまの信頼を得ながら、事業をやってきた。安くたくさん売るというよりも、高い品質のもので、お客さまにご満足いただく。それが事業の根幹にある。だからこそ、目先の安さで勝負するのではなく、品質で選ばれ続けることにこだわってきました。私自身も、そこはずっと意識してきました。

インタビューに答える豊福貴司氏
インタビューに答える豊福貴司氏
インタビューに答える豊福貴司氏

FFISは今、
何を変えようとしているのか

FFISというと、“モノを扱う販売会社”というイメージを持つ方も多いと思います。実際に着任されて、いかがでしたか。

確かに、グループの中ではイメージング事業の「国内販売会社」という役割をまず担っています。ただ、FFISに着任して改めて感じたのは、お客さまとの距離の近さと、信頼の厚さです。お客さまから非常に信頼されていると感じました。その信頼関係の上に、ビジネスがきちんと進んでいる。これは、この会社の大きな強みです。実は、富士フイルム製品以外のビジネスが、売上の2割強ほどを占めていて、なかなかユニークなポジションにいるんですよ。

では、なぜ今、「営業技術」を「ソリューションエンジニア」と改称したのでしょうか。

もともとFFISは、「自社製品の販売」と、「お客さまの課題に伴走するソリューションビジネス」の両方をやってきました。何か新しいことを始める、という話ではないんです。今回の名称変更は、その“後者”のスタンスを、改めて社内外にはっきり示すためのものです。そして、もう一つ大きな背景としては2022年以降、生成AIの普及によってビジネス環境は大きく変化しました。これまでのようにアナログの強みだけに固執していては、生き残れない。だから、今までお客さまのご要望を「満たす」立場から、デジタルも活用しながらお客さま自身も気づいていない課題や可能性まで提案できる存在へ、会社も、エンジニアも変わっていかなければなりません。ニーズを満たすだけでなく、その先にある課題を起点に提案していく。ソリューションエンジニアへの改称は、そこへの意思を明示したものなんです。

目指す姿を、もう少し具体的に教えてください。

イメージは、“置き換え”ではなく“足し算”です。これまで培ってきたアナログのプリントに、デジタルを足していく。例えばサイネージは、ポスターにLEDビジョン、電子ペーパーを組み合わせる。バス停の案内をデジタル化する「MORA」や、スマートID(写真付きIDカード+デジタルID・顔認証)もそうです。お客さまのニーズに応え、さらにその先まで提案できる存在になっていきたいと思っています。

インタビューに答える豊福貴司氏

「製品を売る」から
「課題を解決する」へ
ソリューションビジネスの
本質

“課題を解決する”とは、これまでと何が違うのでしょうか。

これまでは、「お客さまが欲しいと言ったものを提供する」という仕事の進め方が中心でした。もちろん、それ自体に価値はあります。ただ、お客さまは欲しいものを言葉にしてくださいますが、その奥には必ず“解決したい何か”がある。その一歩先にある「なぜ、それが欲しいのか」「本当はどんな課題を解決したいのか」というところまでは、踏み込めていなかった。そこに踏み込むことを強みにして、もっと高い信頼関係を築いていきたいんです。

その変革は、富士フイルムだからこそできる、という感覚はありますか。

あると思います。ご存じの通り、富士フイルムはもともと写真フィルムの会社で、その市場は2000年をピークに徐々に縮小していきました。こうした市場環境の変化に対し、富士フイルムは写真のビジネスからの転換を迫られたのです。そして、変革を通じてなぜ生き残れたのかを考えてみると、いろいろな見方がありますが、私は「自社の本質課題は何か」に、もがきながら向き合ってきたからだと思っています。FFISも、そのやり方をもう一度思い出して、お客さまの本質課題に向き合う必要がある。とはいえ、これは簡単ではありません。営業はこれまで「お客さまの言うことを提供する」マインドでやってきた。その考え方を変えていくこと自体が、今まさに問われているんです。

インタビューに答える豊福貴司氏
インタビューに答える豊福貴司氏
インタビューに答える豊福貴司氏

顧客課題を起点に、
技術を“デザイン”する
これからのエンジニアに
必要な力とは

これからのエンジニアに、最も必要な力は何だと思われますか。

お客さまの課題そのものは、実は技術とは関係なく、普遍的なものなんです。まずは、その課題をどう見つけるか。課題が明確になれば、その解決方法は無数にあります。数ある技術の中から最適な組み合わせを考え、価値ある形にしていく。その仕事は、ある意味「デザイン」です。技術の引き出しの多さと、ソリューションをデザインする力。そこがものすごく求められています。あくまで起点は、お客さまの価値。「売りたいもの」から出発する“モノ売り”とは、本質的に違うんです。

なぜ、そこで“エンジニア”が主役になるのでしょう。

お客さまの課題を理解したうえで「じゃあ、どう実現するの?」となったとき、従来培ってきたアナログ技術だけでは絶対に解けないんですよ。今はAIもIoTもブロックチェーンもある。そのようなデジタル技術も組み合わせて新しい価値を生み出していく。そして、「この課題なら、この組み合わせがベストだ」と提案できるかどうかが重要なんです。一人ひとりの専門家が集まって議論すれば、「この技術とこの技術を掛け合わせれば、このお客さまにはこれが一番良いんじゃないか」という解が見えてくる。話を聞いてくれただけでは、お客さまは満足しません。エンジニアも顧客の課題をちゃんと理解しないと、良い提案はできない。だからこそ、エンジニアが中核なんです。

営業と技術、それぞれの専門性は、どう活きるのでしょう。

全員が「ビジネスマン」になることが大事です。とはいえ、正直、私は営業にはなれないと思っているんです(笑)。営業にしかできないこと、エンジニアにしかできないことが、それぞれあります。サッカーと同じで、ディフェンスはディフェンス、フォワードはフォワードの役割がある。でも会社全体で見れば、チームで勝てばいいし、チームでお客さまに最高のソリューション(付加価値)を届けられればいい。一人ひとりが自分の専門性を磨きながら、でも“一つ上の目線”としての「お客さまにとっての価値」というところで全員がつながっている。一人で全部やろうとしなくていいんです。補い合える仲間がいる、というのは、心強いことだと思います。

インタビューに答える豊福貴司氏

他業種とはひと味異なる、
FFISの
ソリューションエンジニア
としての価値

エンジニアを志す方は、志望企業を考える際にSIerといった他業種と迷うこともあると思います。FFISの独自価値は、どこにありますか。

SIerというのは、基本的に企業のIT活用という領域の中で、ITソリューションをベースに、お客さまの課題解決に取り組むことが多いです。大規模な案件であれば、役割分担が細かく、若手のうちは、プログラミングやテストなど特定の工程を担当することも少なくありません。そのため、お客さまと直接関わる機会が限られる場合もあります。そしてある工程が終わると、次のお客さまへ移っていく。一方でFFISは、会社全体が500人ほどの規模で、エンジニアは要件定義から導入、その後の保守まで、すべての工程に関わっていきます。お客さまの課題解決の“結果”まで見届けるところまでやるのが、FFISの特徴だと思っています。

技術の幅、という点ではいかがですか。

FFISは、技術を選ぶ際のソリューションの幅がとても広いです。ITだけでなく、アナログのプリンターもある。さらに富士フイルム製品に縛られず、世の中の良い技術を自由に組み合わせられます。特定の領域に縛られることなく、あくまでお客さまの課題を起点に、幅広く追求できる点は、FFISでの仕事の大きなやりがい、面白さだと思います。

インタビューに答える豊福貴司氏
インタビューに答える豊福貴司氏
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求める人材像と、
これからの仲間へ

どんな人と一緒に働きたいですか。

まずは、いろいろなことに興味を持って取り組める人。そして、自分の考えをしっかり持って発信し、議論しながら結論を導いていける人ですね。もう一つ大事にしたいのが、「お客さまへの好奇心」です。お客さまは、目の前の困りごとを言葉にされます。でも、課題の本質は言語化されていないことがあり、「本当は、何が一番の問題なんだろう」と背景まで考えていく。それって、私はある意味、すごく楽しいことだと思うんですよ。そういう好奇心や探求心を持てる人と、一緒に働きたいですね。

入社の時点で、専門性は必要でしょうか。

大学の専攻はもちろん大事ですが、学部で2年、修士で2年学んだとしても、4年ですよね。でも、これから30年、40年と働く時代に、技術はどんどん変わっていく。だからこそ、常に新しいアンテナを張って勉強し続け、新しいものを取り入れていける柔軟性の方が、ずっと重要なんです。ですから入社時点の専門は問いません。

若手が挑戦しやすい社風だとも伺います。最後に、これからの仲間へメッセージをお願いします。

富士フイルムグループには「オープン・フェア・クリア」を大切にするというDNAのような価値観があります。若いから、ベテランだから、ではなく、「何が正しいか」で判断する。だから若い人も、どんどん発言していい。そして上司のところに相談に来るときも、「どうしましょう」ではなく「自分はこう考えるけれど、どうですか」と、自分の考えを持って来てほしい。そうした自立性のもとであれば、仕事の失敗は許容されますし、挑戦はどんどん後押ししてもらえます。正直に言えば、言われたことをやるだけ、という働き方は、うちではもったいない。お客さまと密接な信頼関係を築き、課題の結果まで見届けられることは、私たち独自の強みです。その価値を一緒に磨き、本質的な課題に挑んでいくことにぜひ、一緒にチャレンジしましょう。

インタビューに答える豊福貴司氏
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※所属・役職等は全て取材当時のものです。

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