富士フイルムイメージングシステムズ株式会社

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G20大阪サミットにおけるセキュリティカード発行プロジェクト G20大阪サミットにおけるセキュリティカード発行プロジェクト

PROJECT STORY

G20大阪サミットにおける
セキュリティカード発行プロジェクト

19カ国の首脳が集う会合の
セキュリティを守る。

2019年6月、大阪府大阪市で開催された首脳会合、G20大阪サミット。その際に政府をはじめ、各国が重要視していたのが、会場の入退場セキュリティ問題。富士フイルムイメージングシステムズは、G20大阪サミット会場に立ち入る全ての関係者の身分を証明・区分する、セキュリティカードの発行と管理を託されました。各国首脳や政府関係者はもちろん、海外プレスやスタッフ合わせて約3万人もの参加者が集う中、どのようにしてG20会場の安心・安全を守ったのか。その挑戦の物語をひも解きます。

MEMBER

[ チーム統括 ]

山口 貴嗣山口 貴嗣

営業推進部
イメージテック戦略企画部

マネージャー

山口 貴嗣

Yoshitsugu Yamaguchi

(1997年入社)

[ 営業担当 ]

堀部 映理堀部 映理

イメージテック営業本部
カード事業部

 

堀部 映理

Eri Horibe

(2016年入社)

[ システム担当 ]

島崎 洋平島崎 洋平

イメージテック営業本部
SE部

チーフ

島崎 洋平

Youhei Shimazaki

(2008年入社)

富士フイルムグループの総力戦

富士フイルムグループの総力戦 富士フイルムグループの総力戦

戦略企画部でマネージャーを務める山口M(マネージャー、以下略)が、このプロジェクトの統括を任されたのは、2018年10月のことだった。大手広告代理店からのオファーで、数週間後には『G20大阪サミットにおけるセキュリティカード発行管理』を含む入札があると言う。会社としては、これまでも国際的な会合のセキュリティカードを手がけてきたが、過去の実績があるがゆえに、今までと違った技術を用いたアプローチが必要と考えた。そして、その広告代理店とは、カード事業部としては初の取引となる。今後の大きなコネクションを生み出す、またとないチャンスだった。

「これはFFISだけでなく、富士フイルムグループ全体を巻き込んだ総力戦になると予感しました」。そう語る山口Mは、託された大きなチャンスにプレッシャーを感じた。しかし、こうも言う。「富士フイルムが長年培ってきた技術力には自信がありました。あとは、既存の技術をどう組み合わせて、今回のプロジェクトに落としていくか、だけでした」。

「今回私たちに託されているのは、セキュリティカードを発行することに加えて、各国の首脳陣をはじめとした関係者たちの個人情報を守る、高いセキュリティ機能を兼ね備えた発行管理システムを構築することでした」。そこで山口Mが声をかけたのは、富士フイルムイメージングシステムズ独自のシステムである、WEBアプリケーション型カード発行管理システム『CIMSA(シムサ)』の開発を担当しているシステムエンジニア、島崎C(チーフ、以下略)だった。

確実で円滑なセキュリティ管理の
実現に向けて

確実で円滑なセキュリティ管理の実現に向けて 確実で円滑なセキュリティ管理の実現に向けて

島崎Cはこう語る。「『CIMSA』とは、カード発行に必要な情報(氏名や所属、顔写真など)を他システムと連携することで、データの一元管理を可能にするクラウドシステム。一般的なカード発行システムでは、システムごとに人の手でデータの登録を行う必要があり、時間と手間がかかる上、登録ミスや情報漏洩のリスクがあります。そこで、本プロジェクトに『CIMSA』を活用して、各国関係者がアクセスする『Web申請システム』とセキュリティゲートの『入退場管理システム』を繋ぎ、一連のデータ連携を実現。これにより、申請された情報を“確実に”セキュリティカード発行に反映したり、発行した情報をセキュリティゲートに“リアルタイムに配信”するといったスムーズな運用が可能になります。さらには、高セキュリティなネットワーク間でデータをやり取りするため、外部への情報漏洩も防ぐことができる。今回は短期間でシステムを構築しなければならないため、この『CIMSA』なら柔軟にシステムを構成できるのも大きなメリットでした」。

『CIMSA』の機能は今回のプロジェクトのニーズを満たすには十分だった。しかし、まだ山口Mは悩んでいた。「これだけだと入札は厳しい。もっと他社には真似できない圧倒的な技術力がないと。」そこで目をつけたのが、富士フイルム㈱が開発していた偽造防止ラベル技術『FORGE GUARD』だった。

「『FORGE GUARD』は高性能の銀色のラベルで、ブランド品や工業部品の真贋判定に使われているもの。一般的には、ホログラムなどの偽造防止技術を施しても、偽造されてしまうケースが後を絶ちません。しかし、富士フイルムが開発したこのラベルは、特殊な技術を駆使しており、“模倣は不可能”とまで言われるまでの品質。この独自技術であるラベルをセキュリティカードに埋め込むことで、他社にはできない提案が可能になると思いました」。そうして、入札に挑んだG20プロジェクトチーム。無事、富士フイルムグループの提案と技術力の高さが認められ、大手広告代理店と正式にプロジェクトを進めることが決定した。

「CIMSA」でのカード発行の流れ
「CIMSA」でのカード発行の流れ
「CIMSA」でのカード発行の流れ
「CIMSA」でのカード発行の流れ

チームのモットーは、「できないと言わない」こと

チームのモットーは、「できないと言わない」こと チームのモットーは、「できないと言わない」こと

「ほっとしたのもつかの間、ここからが本当の勝負でした」と山口M。案件が動きだしてから一番のネックは、サミットの日程が決まっている以上、納期はずらせない中で、想定外の事態や要望が舞い込んでくることだった。しかも、2019年は元号の改定により、クライアントが多忙を極め、仕様決めがスムーズにいかないことも多かった。たとえば、セキュリティカードのデザイン。対象者や用途によってデザインが異なるが、その内容が二転三転することがあった。そのため、後から仕様変更した場合にも柔軟に対応できるように、着手する順番を入れ替えるなど、システム構築のフローにも工夫が必要だった。

クライアントとの窓口をしていた、営業の堀部はこう言う。「クライアントからの要望や課題を、社外・社内の関係者と随時共有しながら調整していくのが私の仕事。社内では毎週の定例会の場を設け、メンバーと課題解決に向けて策を話し合いました。そんな中で意識していたのは、クライアントの要望に対して『できません』と言わないこと。実現が難しそうな場合は、ご要望の意図を丁寧に汲み取って、別の解決策を提示していました。時には社内に対して無理なお願いをすることもありましたが、サミットを成功させることを一番に考え、理解と協力を得ることに努めました」。

そして、2019年6月28日。ついに、G20大阪サミットの開催日を迎えた。何かトラブルがあってはならないと、開発メンバーはG20の開催期間中、ずっと現場に張りついた状態だった。ほぼ24時間体制で見守っていたシステムエンジニア島崎Cは言う。「できることは全てやった。それでも大規模なプロジェクトでは想定外の事態が付きもの。何が起きても、即座に対応する必要がありました。あらゆるリスクを想定して、現地で対応する人員の調整にも苦労しましたね」。

さらなる飛躍の第一歩に

さらなる飛躍の第一歩に さらなる飛躍の第一歩に

2019年6月29日。G20大阪サミットは、大きなトラブルもなく、無事に幕を閉じた。最終的に約45,000枚のセキュリティカードの発行を終え、クライアントからは「富士フイルムさんと一緒にお仕事ができて本当によかった」とお声がけいただいた。また後日、プロジェクトチーム宛てに、ある一国から御礼状が届いた。開催期間中の柔軟な対応について感謝の言葉が綴られていた。山口Mは今回のプロジェクトを振り返って、こう語る。「G20大阪サミットが無事に開催できたことはもちろん、私たちがサミットの成功に微力ながらも貢献できたというのは、非常に感慨深いものがありました。そして何より、企業や部署の垣根を超えて、一つのチームとして乗り越えられたことが嬉しいです」。

また、今回営業を務めた堀部は、まだ入社3年目(取材当時)。入社して以来、初の大型案件だったと言う。「このプロジェクトは、私のキャリアにおいて、大きなターニングポイントになったと思います。苦しい場面も多々ありましたが、やり遂げられたことが自信につながりました。こんなに重要なプロジェクトを、若手の私に任せてくれた上司、そしてチームメンバーの皆さんに感謝しています」。

このプロジェクトの成功を経て、大手広告代理店との信頼関係も深まり、新たな大型イベントの協業にもつながったと言う。こうして、これまで未開拓だった分野にも取引の幅が広がっている。この経験が、富士フイルムイメージングシステムズのさらなる飛躍に繋がっていくはず。私たちの挑戦は、これからも続いていく。

※所属・役職等は全て取材当時のものです。
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